住まい

無印良品の収納システム——ユニットシェルフの設計思想と応用

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無印のユニットシェルフを 6 年使っている。2020 年に 3 段構成で買い、2022 年に引越しで 4 段に買い足し、2024 年の 2 度目の引越しで幅違いを追加して奥行きを分けた。同じ棚が住まいに合わせて形を変える、という体験はそれまでの収納家具になかったもの。モジュール設計の価値は、使って 3 年目以降にじわじわ効いてくる。

素材 3 系統の選び方

ユニットシェルフは現在 3 系統で展開されている。オーク材、ウォールナット材、ステンレス。部材は基本的に互換で、同じフレームに違う素材の棚板を付けられる。

オーク材は明るい色調で、フローリングの多い賃貸マンションに馴染む。家族構成が変わる予定のある層には無難な選択。ウォールナットは濃色で落ち着いた印象、ワークスペースの主役にすると部屋全体が引き締まる。ステンレスは水回りや玄関、あるいは書斎で本の重量に耐えたい場合に向く。筆者はオーク材ベースに、ワークスペース部分だけウォールナット棚板を混ぜる運用。

PP ケースと合わせて使う

無印が強いのは、ユニットシェルフと PP ケース(ポリプロピレンの引出し式収納)の規格が合うこと。幅 84cm のシェルフ 1 段に、PP ケース大(幅 37cm × 奥行 44cm)が 2 個ぴったり入る。41cm 奥行のシェルフなら、PP ケースが数 mm はみ出るだけで実用上問題ない。

  • オーク材 幅 84 × 奥行 41cm 本体セット

    3 段ベースとして 1 式あれば汎用的に展開できる。買い足し前提で最初はこれ 1 式。

  • 追加棚板(オーク材)

    1 枚 ¥3,500 前後。用途を決めてから買い足す。迷うなら空のまま。

  • PP ケース・引出式 大(¥1,790)

    衣類・小物の収納。シェルフの 1 段に横 2 個並ぶ。

  • クロスバー

    背面のぐらつき防止。地震対策として必ず付ける。

  • 転倒防止ベルト(別途ホームセンター)

    耐震固定用。賃貸の壁を傷つけない粘着タイプで。

他メーカーとの比較

IKEA の KALLAX は初期コストが半額以下。ニトリのカラボはさらに安い。単純な価格比較では無印は割高に見える。差が出るのは、部材の追加・変更・買い替えが発生するとき。IKEA は廃番のペースが速く、5 年前に買ったモデルの同じ部材が手に入らないケースがある。ニトリも系統が多く、互換性は高くない。

無印ユニットシェルフは 2011 年の発売以降、規格を大きく変えていない。2021 年の現行仕様でも過去のフレームに今の棚板が付く。10 年スパンで部材の入れ替えを想定する人にとって、これは効く。

引越しで分かったこと

2 度の引越しを経て実感するのは、無印の棚は「解体して運ぶ」のがとても楽な設計になっていること。工具は六角レンチ 1 本、組立時間は 3 段ユニットで 30 分。引越し業者に「運びにくい家具」と評される心配がない。

向かないケースもある。1 人暮らしで 1〜2 年後に家具を総入替する予定なら、同じ予算で IKEA KALLAX を買って使い切るほうが合理的。無印ユニットシェルフの真価は、5 年以上同じ棚を住まいに合わせて変形させ続ける運用で出る。日本式整理整頓と同じで、道具に合わせた生活様式を作るほうが定着しやすい。