賃貸で暮らしているとスマートホームは縁遠く感じがちだが、2026 年時点では工事なしで始められる選択肢が揃っている。壁に穴を開けず、電気工事士の資格も要らない。退去時に原状回復できる構成で、過去 18 ヶ月、1K 賃貸マンションで実運用してきた。
SwitchBot ハブ 2 を中核に
最小構成は SwitchBot ハブ 2 が 1 台あれば始まる。価格は 2026 年 4 月時点の Amazon 表示価格で ¥9,980。赤外線リモコン家電(テレビ、エアコン、照明)を学習させて音声・アプリ・スケジュールで操作できるようにする。さらに温湿度計を内蔵し、室内環境のログが自動で取れる。Matter bridge としても動作し、SwitchBot 以外の Matter 対応機器も束ねられる。
ハブ 2 以前の「ハブミニ」は Matter 非対応で、将来の拡張性を考えると今からなら 2 を選んだほうが良い。ハブなしで個別機器(SwitchBot ボット、カーテン、ロックなど)を使うことも可能だが、2 台以上になるとハブが中核になる。
賃貸向けの典型的な構成
SwitchBot ハブ 2(¥9,980)
中核。机の隅にテープで固定、AC 電源ケーブル 1 本のみ。
SwitchBot ボット 2 個(¥4,980/個)
壁スイッチの ON/OFF を物理的に押す。壁紙を傷めない両面テープで固定。
SwitchBot カーテン 第 3 世代(¥8,980)
遮光カーテンを自動開閉。朝 6:30 に自動で開ける設定で朝活と連動。
SwitchBot 温湿度計プラス(¥1,980)
ハブ 2 の内蔵センサーでも良いが、隣室や浴室のモニタリングに増設。
SwitchBot ロック Pro(¥19,800)
玄関のサムターンに被せて装着、工事不要で施解錠できる。退去時に外せる。
SwitchBot プラグミニ(¥2,480)
Wi-Fi 接続のスマートプラグ。間接照明や加湿器のタイマー制御に。
合計 ¥60,000 弱。月額の追加コストは発生しない。SwitchBot にはクラウド有料プラン(SwitchBot Cloud)があるが、単一ハブ・個人利用の範囲では無料機能で不足しない。
初日の設定ルーティン
導入したその日の推奨手順を書いておく。どれも 10 分以内で終わる。
0:00
SwitchBot アプリインストール
App Store / Google Play から取得、アカウント作成。メールアドレスのみで可。0:05
ハブ 2 を Wi-Fi に接続
AC 電源を挿す、アプリの指示通りに 2.4GHz Wi-Fi に接続。5GHz は非対応なのでルーター設定を確認。0:10
エアコン・テレビの赤外線学習
リモコンをハブに向けて 1 ボタンずつ登録。主要メーカーは自動認識あり。0:20
シーンの登録
「帰宅」「就寝」「外出」の 3 シーンを作る。外出時に全家電 OFF の動作は最初に作ると効用が分かる。0:30
Google Home / Alexa と連携
音声操作が必要なら連携、不要ならスキップ可。連携は後からでも。
Matter 対応で広がる選択肢
Matter は 2022 年策定の異メーカー連携標準で、2024 年から対応機器が本格的に増えた。Aqara、Eve、Meross などが Matter 対応製品を出し、Google Home や Alexa から同じ機器が見える。SwitchBot ハブ 2 を Matter ブリッジとして使えば、両方のアプリから操作できる。連携を増やすとトラブルの切り分けが難しくなるので、必要最小限で始めて徐々に増やすのが結果的に早い。
退去時の復元
原状回復は粘着テープを剥がして機器を外すだけ。ハブ 2 とロック Pro は工具不要で取り外せる。剥がし跡が残らない両面テープ(3M コマンド等)を使っているか確認する。アプリ側は機器の登録を解除してアカウントを削除すれば完了する。
向かないケースもある。築古の賃貸マンションでは Wi-Fi 環境が不安定で、ハブと機器の通信が途切れる。2.4GHz 帯の電波強度が決定要因で、ルーター位置の見直しが先に要る。スマートホーム化は家のベースが整ってから手を付けるほうが満足度が高い。